血液の基礎知識

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液の量、献血の量について

人間の血液の量は、体重のおおよそ13分の1といわれています。血液の量の12%を献血していただいても医学的には問題なく、安全ですのでご安心ください。

また、血液の量は水分を摂取することで短時間で回復します。

血液の成分が回復する速さは、その成分によって異なります。
回復する速さには個人差がありますが、目安として血漿成分は約2日、血小板成分が約4~5日、赤血球は約2~3週間で回復します。
献血していただく方の安全を最大限守るために、血液の成分が完全に回復するまでの期間を考慮し、献血の種類によってそれぞれ、次回献血いただける日までの日程を定めております。

液の構成要素

血液は主に血球と血漿の二つに分かれます。それぞれの役割はとても重要で健康維持には不可欠です。

血液の基礎構成

栄養素や老廃物、ホルモン、抗体などの運搬をし、体液のpH調整や浸透圧の維持も行います。
「性状」血液の約55%を占める液体成分で主に水(約90%)とタンパク質(アルブミン、フィブリノーゲン、グロブリン等)から構成されています。長期保存が可能で冷凍血漿として保存されます。
献血では、血漿成分献血がおこなわれ、特に重症患者や火傷患者、肝臓病患者の治癒に使用されます。


■赤血球:酸素を運ぶ役割を持ち、体の各組織に酸素を届けます。
「性状」成人では血液1μL男性で約500万個女性で約450万個幼児で約690万個ほどで寿命は骨髄で作られて脾臓で壊されるまでの約120日です。
献血では、赤血球が不足しがちな患者(出血が多い事故や手術中の患者等)に特に必要となります。

白血球:体内に侵入した病原体(細菌やウイルス)を攻撃・除去します。感染症から体を守る役割が多いです。
「性状」成人では血液1μL平均7,500個。顆粒球、単球及びリンパ球からなり、前者二つは骨髄で、後者は主にリンパ組織で産性されます。
献血では、免疫が低下している患者、特に白血病やがん治療を受けている患者に白血球が重要です。

血小板:血管が傷ついた際に、傷口に集まって血栓を作り、出血を止めます。
「性状」血液1μL約14~36万個。大きさは直径約2~3μmで円盤状です。採血後4日間使用でき非常に短いです。
献血では、特にがん治療や手術後に出血が止まりにくくなる患者に使用されます。血小板は短期間に消費されやすいため、献血による補充が頻繁に必要です。

液型

私たちの血液は、ABO、Rh、P、MNなどといった分類により多くの血液型に分けられます。なかでもABO、Rhの血液型は、輸血をするうえでの必須項目です。また、血小板の輸血などをさらに効果的に行うため、白血球型(HLA)の検査も重要です。

 ABO血液型

1900(明治33)年、オーストリアのカール・ラントシュタイナー は、ある人の血清に他の人の赤血球を混合すると、凝集する場合としない場合があることを発見。翌1901(明治34)年、これを分類して血液に型があることを医学誌に発表しました。

■ Rh血液型

1939(昭和14)年にレビーンとステップセンは、ヒトの血球に対する血清中の不規則凝集素を明らかにしました。1940(昭和15)年、ラントシュタイナーとその弟子ウィーナーは、人の赤血球にアカゲザル(Rhesus)と共通の血液型抗原があることを発見。この抗原中に含まれる「D」という抗原の有無によって区別する血液型をアカゲザルの頭文字をとって「Rh因子」と名づけました。

■ まれな血液型

まれな血液型とは、その出現頻度が概ね1%以下の血液型をいいます。輸血を必要としている患者さんがまれな血液型で、しかもその抗体をもっている時は、同型のまれな血液型が必要となりますので、あらかじめ冷凍保存している同型の血液を使用したり、同型の血液をもつ方に献血のお願いをするなどして対応しています。しかし一度に必要量を集めることは大変困難なため、まれな血液型の献血者には、輸血に備えるために登録者になっていただくようお願いしています。

■ HLA型

赤血球にABO型があるように、白血球にもHLA型という血液型があります。HLA型はヒト白血球抗原(Human Leukocyte Antigen)の略で、その重要性から主要組織適合性抗原ともいわれており、大きく分けてHLA-A、B、C、DR、DQ、DPがあります。血小板減少症を伴う病気など、何度も血小板輸血を受けた患者さんは、HLA抗体が産生されて血小板輸血の効果が得られない場合があります。そのような患者さんにはHLA適合血小板が必要となります。血液センターではこのような場合に備え、事前に献血者に対してHLA型の登録をお願いし、成分献血によるHLA適合血小板の供給に努めています。